アナログ思考と英語学習

アナログ思考と英語学習

皆さんは、お使いのテキストがどのようなタイプなのかを

ご存じで選んでいますか?

 

  • 場面に応じた会話練習テキスト
  • 文法テキスト
  • 純粋に「発音」だけのテキスト

 

会話練習用のテキストは、初級からビジネスまでありますが、

会話を使って文法の練習をさせるものから、ビジネスに必要な

テクニカルなものまで、様々です。

 

場面に応じた簡単な英会話のテキスト(聞くだけのものも含む)については、

残念ながら、英語で思考ができるまでの定着が望めるまでには

かなり時間がかかってしまうため、「英語で思考ができる」ことや、

場面が変わっても「応用が利く会話ができる」ことが目的であれば、

あまりお勧めしません。

 

もちろん、時間がかかっても「楽」な方法を選ぶというのも、

一つの選択肢ではありますが。

 

「英語を身につける」ということは「英語で思考できる」ということです。

日本語で考えて英訳しながら話す、というのは身につけていることには

ならないからです。

 

ここで、一つ例をあげてご説明しましょう。

 

弊社プロンテストは、1988年創業の英会話スクールから始まり、

2005年ごろから国の研究所と基礎研究を開始し、2015年ごろには

完全に教育ICTの会社に転身をしてきました。

会社沿革をご参照ください

 

ICTに不可欠なのがプログラマーです。

ここ2,3年の間にも何人かの20代から50代までのプログラマーの

方たちが入社されました。

 

結局、わかってきたことは、プログラミングという最先端の技術のように

見える分野であっても、実は、基本には「言葉」が深く関係していると

いうことです。

 

社内のアイディアやお客様からのご要望、つまり思考をプログラムやシステムに

変えていくのが我々の仕事です。

 

思考は言葉を使って相手に伝えます。

 

プログラムをするときには、思考=要件定義といいますが、要件をまとめ、

基本設計から詳細設計に落としていきます。

 

その過程で、どちらが先にくるかは別として、「要件(思考)」を

「アルゴリズム」という「アナログ的思考」である言葉による説明と、

要件を視覚的表現に置き換えて「フローチャート(流れ図)」を作成する

「デジタル的思考」という二つの方法を使って、設計図を整えていきます。

 

フローチャートが一見わかりやすいのですが、実は、その裏には

「言葉」に置き換えるアナログ的思考ができていないと、

フローチャート通りに作ったつもりであっても、お客様の思い通りの

ものはできないでしょう。

 

冒頭で、テキストの話をしましたね。

 

場面による「会話」のテキストは、プログラムでいうところの

フローチャートに相当します。

 

しかし、実際にはアナログ的思考ができていないと、

場面が変わったときや、違う言い方に変えて説明したいとなったとき、

応用が利かないことがわかります。

 

つまり考えを英語で話す場合には、英語でアナログ的思考ができないと

本当には使えない、ということなのです。

 

そのためには、

自然に英語が出てくるまで訓練された構文(文法)の応用や、

「発話することの基本」である「通じる発音」ができていなければ

文字通り「お話にならない」のです。

 

優秀なプログラマーは、イメージを「言葉」に置き換えるのが得意です。

言葉に置き換えるためには、きわめてアナログ的な、相手に対する「気配り」と

いうことができていなければなりません。

優秀なプログラマーは、イメージを「言葉」に置き換えるのが得意です。 言葉に置き換えるためには、きわめてアナログ的な、相手に対する「気配り」と いうことができていなければなりません。 Click To Tweet

 

気配りがなければ、相手の思いを理解することと、さらに一歩進んだ

「設計図」に落とし込むための「言葉化」や「視覚化」ができないからです。

 

自分の考えの「枠」から出られない人は、相手の思考が理解できません。

相手の思いを察することが気配りであり、本来の「言葉」の使い道であると、

我々は考えています。

 

一方的に相手に自分の思考を押し付けることが健全なやり方ではないことは

皆さんも、昨今のニュースで、よく感じておられることでしょう。

 

本来の言葉の使い方の習得にも、反復練習が必須です。

発音の練習から始まり、構文なども反復練習をする。

 

そして、思考を無意識にでも言葉に置き換えることができるまで

訓練をすることが必要です。

 

さて、テキストに戻って、今度はそれを使う「先生」という

職業が持つ重要性のお話になります。

 

私(プロンテスト代表)は英会話スクール時代に、

国内外の様々なテキストを使って教え、現在は、教科書準拠のアプリも

制作しています。

 

小学校英語のテキストは英語のイメージづくり、つまりフローチャートと

同じようなものだと思っていただければよいと思います。

したがって、場面による会話で成り立っているため、

文法は驚くほど、皆さんが知っている順番通りには出てきません。

 

よく出てくる「会話」をイメージとして理解し、

なんとなく何を言っているのかが理解できて、楽しいという印象を

育てることが、大きな目的の一つだということがよくわかります。

 

さきほど申し上げたように、

小学校のテキストは、「英語による会話」のイメージをちりばめた

フローチャートのようなものだとご理解ください。

 

その根底には、実は覚えてもらった方がよいであろう「構文」や、

おそらくこのunitでは強調したい発音は「コレ」なのであろう、

という、unitごとに書かれた筆者の先生たちの思惑も垣間見えます。

 

教科書の中にあるアクティヴィティーの中に、その願いがこめられています。

 

しかしながら、

この小学校の教科書を使う先生方に、 「英語で思考する力」、

つまり教室の中で生徒たちに教えながら、

「ここがわかっていないかもしれない」から、今度はこういう風に教えよう、

ここをもっと練習しよう、という「思考力」が、もし無ければ、

教科書を構成している(デジタル教科書も同様)ピクチャーカードという

フローチャートを活かしきることは難しいでしょう。

 

一方、中学校の英語教科書は、昔の文法に偏っていたものから、

昨今の読みもの中心に移り変わってきました。

高校のテキストが中学校に降りてきたような感じです。

 

申し上げるまでもなく、中学校に入学したときには、

小学校英語で、きちんと裏付けされた「英語で考え始める」ことが

定着できていない子供たちと、定着できている子供たちの差は、

歴然としているに違いありません。

 

それは、子供たち自身の能力ではなく、先生方の能力の差だと

言わざるを得ない部分も、大きく存在しているのです。

 

厳しいお話で大変恐縮ですが、これは現実に起こっていることだと、

先日、塾関連の教材会社さんからお聞きいたしました。

 

一見、言葉そのものを扱っていないように見えるプログラマーも

言葉を教えている先生方も、実は、その根底にあるものは同じです。

 

思考は言葉となり、言葉は習慣となる。習慣は人生を創る。

 

これは、イギリスの元首相であるサッチャーさんもおっしゃっていますね。

英語の学習者は、「言葉」を「英語の言葉」に置き換えてみてください。

 

そして、

ギリシャ哲学、ローマ哲学を経て聖書にも書かれている言葉ですが、

はじめに言葉ありき」があります。

(聖書の中の使い方としては賛否・諸説あります)

ただ、思いは言葉になり、そこからすべて始まる、ということは

真実なのではないでしょうか。

 

ちなみに、私どもの一般社団法人 国際発音検定協会(ICLP)のロゴを

「はじめに言葉ありき」をギリシャ語の発音記号で取り囲んでいますので、

ご覧になってみてください!