◆あなたの発音をネイティブに近づける「リエゾン法(R)」

「リエゾン」とは、もともとフランス語で、「つながり」という意味の言葉です。

ある単語と単語がつながるときに、音が消えてしまったり、弱くなったり、
音そのものが変化してしまうもので、この
単語と単語のつながり方を集中的に練習するのが
「リエゾン法」です。

リエゾン法では、1つの文をいきなり読んでいくのではなく、
単語1つから2つ、2つから3つと少しずつ長くしていきながら、
リエゾンのしかたを身につけていきます。

たとえば、「in English → talk in English → You'll talk inEnglish.」といった具合です。

このように少しずつ増やしていけば、長い文章でも、無理なくうまく読めるようになります。

◆リエゾン法のもう1つの効果

リエゾン法には、もう1つ意味があります。

リエゾン法を練習しながら、「in」「on」「at」などの前置詞
(日本語の、言葉と言葉の関係を表す「てにをは」のようなもの)
のところで区切る練習をすることができます。

「in」「on」「at」などの前置詞の音をしっかり覚えることで、
だんだん、それらの音の次に来る言葉が、文に意味をつけ加える言葉
(たとえば、時間、場所、方向、目的など)だということもわかってくる
という効果もあるのです。

でも、とりあえず最初は何も考えなくてもいいですから、
ただ、レッスンの通りに文を切っている場所で区切って練習しましょう。
自然と身についてきますから。

◆リエゾンは日本語にもある!

私たちも、自然とリエゾンを使っているのです。

ところで、リエゾン法の練習についてお話しする前に、
こういった前後の音の影響が、日本語にもあるのをご存知ですか?

たとえば、「おまえ」の「ま」は、その次の「え」に引っ張られて「め」、
つまり「おめえ」になったりしますし、
「そんなの関係ねえ」の「ねえ」もそうです。

もともとは「関係ない」ですが、「ない」の「な」も「い」も、
両方の舌の高さの中間である「え」の場所でおさまって、
「な」が「ね」、「い」が「え」になっています。

理屈はちょっと「めんどくせえ」でしょうけれど、日本語も、
このような感じにリエゾンしているのです。

◆子音も変化している

ここまでのリエゾンは、母音(あいうえおの仲間)が影響されるという話ですが、
日本語の中の子音(母音以外の音)も前後の音に影響されているのを知っていますか?

たとえば、東京都にある駅の1つに「新橋」というのがありますね。
「しんばし」とひらがなでは書きます。

でも、正確には、私たちは「shim-bashi」と発音しています。
わかりますか?

「しん」のところで、口を開けたままにしないで、
いったん閉じてから、「ばし」といいますね。
それは、「ば」という音が唇を閉じて出される音なので、
それに影響されて、「しん」の「ん」も閉じて発音して、「n」が「m」になってしまうのです。

もし、新橋駅を通るときには、駅名の看板を確認してみてください。
ちゃんと「Shimbashi」となっていますよ!

もう少しくわしくいうと、「しんばし」の「ん」を、
「缶コーヒー」というときの「かん」の「ん」の音で発音してみてください。

いかがですか?
こうすると、フランス語の「鼻母音」、
つまり鼻にかかった母音っぽくなってしまいます。

「ばし」の「ba」は「b」で始まります。
「b」は上下の唇を閉じていて、開くときに唇を震わせながら出す音です。
そのため、「b」の音の前に来る「n」の音が、
同じ鼻から空気を出す音の仲間で唇を閉じる「m」の音になってしまう
というわけです。
ほかにも「みつかん」が「mitsukan」ではなく、
「u」が抜けて「mitskan」になったり、
「浅草」が「asaksa」になったりします。

日本語の中にも、このように英語のような発音があって、
私たちも自然にそれを話しているのです。